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2010年12月25日

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。

2010年12月23日 小同心クラック

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。

3月の阿弥陀北稜以来の八ヶ岳。このOFFの間に詰め込んだ知識とちょっとづつ揃えた道具を持って、冷たい割れ目をよじ登ってきました。


先日のマルチピッチクライミング講習会(Mixtureより)で、Mさんからお誘いを頂きました。ありがたいことです。

今回は、リーダーのMさん、遥かなる稜線のみれさんの最強ペアーにお供させて頂きました。

まだ穏やかな林道を車で美濃戸に進みます。暖冬のせいか雪も少なく凍結も緩いです。5:39 先ずは真っ暗な中ヘッデンを点して赤岳鉱泉に向かいます。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
7:11 赤岳鉱泉到着。あの有名なアイスキャンディーは未完成ですね。登攀の用意をしながら軽く休憩します。7:34 ガチャガチャさせて出発です。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
一般道からロープをくぐり大同心沢を登ります。高度が上がってくると、朝の光を受けメリハリ良く赤岳、阿弥陀岳が輝いて見えてきます。3月に攀じ登った阿弥陀岳北陵が浮き上がって見えます。青空ですが雲の動きが速くてイヤな予感。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
有り難い事に何とかトレースもありラッセルせずにすみそうです。それにしてもココかなりの急登です。マニアックな話になりますが丸岡城の階段位な登りが延々続きます。何とか登りきると大同心基部です。ここからはロープを結びコンテで。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
photo by millet

ナチュラル下ノ廊下状のバンドを巻いて小同心クラックの取り付きに向かいます。ココからはトレースはありません。一歩踏み込む度に岩に乗った雪が崩れ、けっこうビビります。体が山側に倒れているためです。分かっていてもナカナカまっすぐ立てません。写真、向こうに見えるのが小同心で手前の足が長いのがオレです。かなりビビってます。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
深い雪の中、Mさんがラッセルしてルートを作って行きます。感謝です。ここ結構な斜度です。丸岡城の・・・です。ここでさっきからツリ始めていた左太ももが激ツリ、ストレッチして何とか復活しました。良かった。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
小同心クラックの取り付きです。写真中央左に割れ目が見えます。あれが小同心クラックです。ここからクライミングの始まりです。リードのMさん、スルスル登っていきます。そして、次は僕の番。

下から見上げると手掛かり足掛かりが豊富に見え簡単そうですが甘い。ビビってクラックの中に中に入っていくと身動きが取れなくなるんです。で、高度感バリバリの外に身を乗り出すとってナカナカ出来ませんよ。素手なら何とかなりそうですが、グローブをした手でズルッといったらと考えると・・・何とかビレイ点まで辿りつきセルフを取ります。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
足元は、こんな狭さですよ。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
見上げるとこんなカンジです。右のオレンジのスリングがセルフで左のロープに沿って登っていきます。ホールド沢山ありそうでしょう?甘いっす。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
photo by millet

2P終了点のオレ。何をトチ狂ったかピースを出してます。非常に残念ですが、そういう精神状態だったんです。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
3P、最終ピッチです。左のピンクのロープがみれさん、右が僕です。みれさんがビレイしている間、凍えて痛み出した左手指先をナニワの商人に負けないぐらいのスピードで手揉みします。何とか感覚も戻り、いよいよ最終ピッチ、攀じ登ります。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
3P終了点のテラスです。ビレイをしてるのがMさん、青いヘルメットがみれさん。名コンビです。

3P終了点の動画です。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
小同心の頭でMさんに写真を撮ってもらいます。さっきまで青空だった空は真っ白。風もかなり出てきました。とにかくサムイ。

溢れるアドレナリンに凍える指。小同心クラック。
最後の1Pを登り 13:00 横岳到着。初めての横岳は曲がってました。これで南八制覇かな?風もかなり強くなってきました。早々にロープをしまいます。下りは硫黄岳を経由して赤岩の頭から赤岳鉱泉に向かいます。

稜線はすごい風です。風によろめきながら進みます。注)音がデカイです。後半、これよりもっと風が強くなりました。動画なんか撮ってる場合じゃないぐらい。

赤岩の頭からは樹林帯の中を進むのでほぼ無風状態。風がないって幸せです。途中、赤岳鉱泉で登攀具をしまい、アイゼンを外して16:29 無事に美濃戸到着。今回は車が見えてもみれさんはズッコケなかったです。


登り 美濃戸 5:39 - 7:11 赤岳鉱泉 7:34 - 13:00 横岳
下り 横岳 13:25 - 14:25 硫黄岳 - 16:29 美濃戸


知識と装備をフル動員して登りました。ピッケルの鉄の部分が、簡単にくっ付く位に冷えたあの風の中を無事に進めたのは、Mさん、みれさんのお陰です。後半、景色は全く楽しめなかったけど内に秘めたM心を久しぶりに感じた、スキルアップした一日でした。また、機会があれば挑戦したいです。

まぁ、しかし、クライミング下手過ぎです。もっともっと華麗に登りたいです。


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この記事へのコメント
いや~。ヤバイですね!
先月号の山渓の八ヶ岳特集、阿弥陀岳北稜が1級(初級)って書いてあったのに対し、小同心クラックは2級+でした。
コレをみて僕は無理と思いましたね(笑)
取り付きまででもかなりヤバソウです。
そして、むちゃくちゃ寒そう・・・。

ともかく、無事登頂おめでとうございます!!
Posted by ヨウメイ at 2010年12月25日 08:05
ヨウメイさん。

今回、ヤバイなぁ~と思ったのは、小同心クラックの取り付きに
向かっている時、深い雪の中、太ももがツッてしまった時だけです。

確かに、本日の状態のココと比べると3月の阿弥陀岳北稜は、
ハイキングレベル?でした。

今回、初めてハードシェルジャケットのフードの大切さをわかったような。
ホント、考えられているんですよ。
でも、Mさんを見るとって、超人のマネは出来ません。
普通の人の僕は、お金で安全を買います。

はい。ありがとうございます。
ヨウメイさんともいつか、ザイルを結んで攀じ登りたいですね。
Posted by kojikoji at 2010年12月26日 10:41
こんばんわ

凄すぎですっ。
いつかこんな体験が出来ることを夢見て
雪山入門コースにチャレンジです!

いやぁ カッケェ〜!
Posted by ups_downsups_downs at 2010年12月26日 17:25
ups_downsさん。

こんばんわ

まさか自分がこんなコトするなんて思ってなかったですよ。

アルパインクライミングは、なかなか一人でって訳には
いかないので、いろんな巡り合わせがあったんでしょうね。
まぁ、ありましたが。

雪山、頑張ってください。
2月か3月に、福井で冬山初心者講習会があります。
岳連主催なので、リーズナブル(3千円?)に、
勿論、他県の方も参加可能です。

多分、このページで告知しますので、機会が合えば
参加してみては?基礎の基礎ですが勉強になります。

僕もヨウメイさんも、今年も、また参加します。
Posted by koji at 2010年12月26日 22:43
お~すごい!
いよいよ本格的アルパインクライマー誕生!
それにしても寒そうです。私はコタツでウトウト...

素敵な写真、家の中で楽しませて貰いました(^^)
Posted by YAMA at 2011年12月09日 11:36
YAMAさん。

この時は、めちゃくちゃ寒くて指先がキンキンでした。
途中から、風も強くて。

僕なんて、Mさんに引っ張り上げてもらってるだけで
本格的なんてものとは、程遠いですよ。

それにしても、雪、早く積もらないでしょうかね。
おNEWの板履きたくてウズウズしてますよ。
Posted by koji at 2011年12月09日 22:35
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