やっぱりスゲェぜ!谷川岳

koji

2012年09月25日 20:30

2012年9月22.23日 谷川岳一ノ倉沢衝立岩中央稜


やっとこさ涼しくなり、いよいよ岩登りの季節になってきましたね。久しぶりの岩登り、ちょっくら遠征して谷川岳一ノ倉沢衝立岩中央綾をヨジってきました。

いつも岩に沢にお世話になっているM師匠を先頭に、「ムリヤ~ムリヤ~」と言いながらガンガンヨジリまくるみれさん、いつものヨウメイさん、今回初マルチ&初アルパイン&初ビバークの初めて尽くしだったYasuと僕との5人パーティーで谷川岳を楽しんできました。

福井から6時間程で谷川岳ロープウェイ立体駐車場、ここの駐車場、深夜は入口を開放していて1F部分に駐車出来ます。さらに空いているスペースにテントが張れます。さすが歴史のある谷川岳、登山者に優しいのです。某あか・・・・・・。僕ら3人は、テントを張るのももどかしく地べたにマットを敷いてシュラフにくるまりUL(ルンペン)スタイルで3時間程の仮眠。もう代々木公園でもヘッチャラさ!

長袖にしようか?半袖にしようか?悩むぐらいの気温の中 4:20 ヘッデンを灯し駐車場出発です。5:03 一の倉沢出合、10分程休憩し登攀具を身につけジャラジャラさせて出発です。眼前に迫る大岩壁に向かって沢沿を進みます。

30分程で懸垂支点が現れ、先ずは50mの懸垂でテールリッジ取り付きです。テールリッジには、フィックスロープが張られているので、多少の安心感はありますが、けっこうスベるので、やっぱりビビりながら進みます。

中央綾取り付きでクライミングシューズに履き替え、M師匠がリードでロープを張っていきます。ヨウメイさんがヨジリ始めていますね。取付きでみれさんとYASUが見上げています。1Pはホールドも多く楽しく登ります。2Pは、左にバンドを巻いて後は階段状にヨジリます。朝一の目には、かなりパンチのある高度感、ドバドバきますね。


// photo by M. //
?P終了点、右はヨウメイさんがYASUをビレイ中、左は僕がみれさんのビレイポイント作成中です。


// photo by M. //
途中で写真を撮ってもらいます。3、4Pを順調にこなし、脳内からドバドバと何かが溢れだし、高度感とか自尊心とかいろんなものが、もうね、おかしくなってしまうのです。とにかくスゲェ~高いんですよ。そしてココの殆どの岩。岩をノックするとポコッと軽い音、きっと近々剥がれます。各Pの終了点なんて、もう数年前に打たれたであろうサビサビのハーケン or リングボルトです。ステンでケミカルアンカーで、なんてボルトはないっすよ。それをみんなでシェアリング、一蓮托生です。まぁ、あんまり深く考えない方が幸せな場所ですね。

YASUなんて、数百mスッポリ切れ落ちたフェースでロープにぶら下がり、シルク・ドゥ・ソレイユばりに2回転決めましたよ。所謂、クライマーズハイなんでしょうね。ワッハッハッ!まぁ、そんなこんなで無事中央稜終了点を迎え、軽く食事。通常はココから懸垂で下るらしいんですが、僕らは谷川岳頂上を目指しコンテでまだまだ登り続けます。

まぁ、なかなか情報がないこのルート、ハッキリ言ってかなりヤバイですよ。簡単なルートではないです。薄っすらと残る踏み跡、モロモロに崩れる岩、今にも剥がれそうな草を掴んで進みます。写真、烏帽子岩のクライミングです。直上にハーケンが打ってあるので、まっすぐ登りたい所ですがムリです。右手に見える草付きを右に折れ・・・が正解。

写真、みれさんがリッジにまたがってハイテンションで遊んでいますが、そのリッジをもう高度感バリバリの向こう側の斜面に身を乗り出してカニの横ばい状で進みます。もうね、奥~西の馬の背なんて笑いながら進めるぐらいの高度感ですよ。最後は赤ちゃんハイハイで進み烏帽子岩のトップです。兎に角高度感はハンパ無いです。

写真、YASUが懸垂岩で懸垂の準備中です。懸垂岩までも薄っすらと踏み跡はありますが、ホント酷く荒れています。更にココいらで小雨が降り出し岩も草付きも滑り易くなって来ました。懸垂岩上でカッパを着込み、窮屈なクライミングシューズからアプローチシューズに替えます。もう時間は17:20 ヘッデンをメットに装着します。懸垂岩を降りると南陵の終了点です。ココからは踏み跡もシッカリして、雨で滑りやすいですがさっきに比べれば随分と歩きやすくなります。


// photo by Yo-May. //
5ルンゼの頭に着く頃には真っ暗になっていました。M師匠とみれさんが何回か登っている壁ですが、随分と崩壊が進みヘッデンの光だけではムリということになり、ビバークの指示が出ました。

登山を始めた数年前、100名山を歩きまくったベテランのヨメ母から必ずツエルトを携帯しなさいという教えにしたがい、すぐに手に入れました。それから、いつもザックの肥やしになっていたツエルト。とうとう初めて使う時が来ました。勿論、他のみんなも指示なんてなくてもツエルトを携帯している意識の高いメンバーです。食料も水も余裕。そして何よりも、いつもヨメに罵られながらも蓄えた僕の腹回りの脂肪があれば、なんの恐れもなく一晩ぐらい余裕で越せます。ヨウメイさんと『いい経験になるねぇ~』とツエルトの中でお菓子をかじりながら、随分と雑談とY談で時を過ごしました。

ただ、明るくなるまでの9時間。結構狭い場所で脚を折りたたみながらのビバークです。コレはハッキリ辛かったですよ・・・と言いながら、後で聞くとデカイいびきが僕の方から聞こえたらしいですが・・・。

4:30 お湯を沸かしてコーヒーで冷えた体を温めます。シアワセ~!明るくなった 5:30 ぐらいから5ルンゼをM師匠がリードでフィックスロープを構築してくれました。


// photo by Millet. //
5ルンゼをクライムハイストで登るオレ。ホント、ぐずぐずに崩れています。よくこんな所をリードで登れるなと・・・僕には一生ムリです。


// photo by Yo-May. //
やっとこさ5ルンゼの頭を越えてホットするオレ。8カンを途中落っことしみれさんに拾って貰いました。8カンめがね。

5ルンゼの頭を越えても・・・


// photo by Millet. //
まだまだショッパイ所が続きますよ。

最後は、熊笹の急登藪漕ぎでやっとこさ一般登山道にでました。8:00 一ノ倉頂上、8:54 谷川岳頂上、途中、肩の小屋で15分ほど一服し、

ヌレヌレの天神尾根を下り 10:25 天神平駅到着。下りはロープウェイで駐車場。みんな無事に下山です。


やっぱり、谷川岳はすごかった。今回、南稜も計画していたんですが残念ながら登れませんでした。まぁ、山は逃げませんが、あの岩は崩れそうです。崩れる前に、出来るだけ早いうちに登っておきたいなぁ~と。ただし、当分の間は、もうお腹一杯ですよ。ヨウメイさんも、YASUも、僕も・・・ただし、みれさんは、まだまだらしいですが・・・食いしん坊ですね。

家に帰っての3日ぶりの布団は最高に気持ち良かったです。




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